門弟の方々がやっている
メーリングリストで、
ヒーロー談議が交わされています。
その中で、ある女性が投稿した一文に
心を奪われました。
「ヒーローとは、自分の命の使い道がかっこいい」
彼女は仮面ライダーが好きだそうです。
私は仮面ライダーを全く知りません。
でもこの一文で、「飛行機雲」という
お芝居のことを思い出しました。
特攻隊員たちの姿を描いた作品なのですが、
その中に、こんなセリフが出てきます。
「命を使うと書いて、使命だ」
これから飛び立とうとする特攻隊員が
さりげなく発したひと言。
命を使う=「使命」。
たった一つしかない自分の命を使って、
それでもなお、やりとげたいことは何か?
いえ、やりとげなければならないこと――。
それこそが「使命」なのです。
メーリングリストで、彼女はこうも書いています。
「私は自分の命を使って
この人生で何が出来るかと考えています」
びっくりしました。
戦時中ならともかく、
うんざりするほど平和ボケな世の中で、
こんなふうに考える女性がいるとは!!!
「使命」って、簡単に言うけど、
本当はすっごく難しい。
「命を使う」のですから。
自分の命を「賭ける」のですから。
これで私はよーくわかりました。
ヒーローの本質に迫るとは、
すなわち「使命」とは何か、
ヒーローの信じる「正義」とは何か、
それにつらなる「無私」とは何か、
それらを考えることにも
つながっていくのです!!!
今回の道場、じつはものすごーく
深いテーマなのではないかと思います。
(今さらかよ!と言われそうですが)
さて、週末から私はマーシャル諸島に
慰霊巡拝の旅に出ます。
いくつもの環礁から成るこの諸島には、
日本軍が玉砕した島があります。
彼らもまた、自分が信じるもののために
命を使った人々です。
無名の「ヒーロー」たちです。
彼らの命がそこに確かに在ったことを、
彼らが戦ったその場所で、感じてきたいと思います。
感謝の気持ちとともに。
そしてマーシャル諸島といえば、
アメリカの水爆実験で有名です。
第五福竜丸が被爆したビキニ環礁での水爆実験。
ビキニ環礁はマーシャル諸島にあるんですよ。
今も被爆の後遺症に悩まされる人々が少なくないそうです。
そしてビキニ環礁に住んでいた人々は
先祖代々続いていた土地を奪われ、
もともと無人だった島に移住させられました。
決して肥沃とは言えないその土地で、
一から自分たちの生活を組み立てていかなければ
なりませんでした。
彼らが味わった苦しみと恐怖は、
今の私たちにとって、決して他人事ではありません。
今回、ビキニ環礁には入りませんが、
手を合わせてきたいと思います。
自分が何を見て、
何を感じるだろうか。
未知の島へ出掛けるときは、
いつも思います。
道場の開催までには
戻ります