ゴー宣DOJO

BLOGブログ
笹幸恵
2012.11.2 16:25

旅立つ前に・・・

門弟の方々がやっている

メーリングリストで、

ヒーロー談議が交わされています。

その中で、ある女性が投稿した一文に

心を奪われました。

 

「ヒーローとは、自分の命の使い道がかっこいい」

彼女は仮面ライダーが好きだそうです。

私は仮面ライダーを全く知りません。

でもこの一文で、「飛行機雲」という

お芝居のことを思い出しました。

特攻隊員たちの姿を描いた作品なのですが、

その中に、こんなセリフが出てきます。

「命を使うと書いて、使命だ」

これから飛び立とうとする特攻隊員が

さりげなく発したひと言。

命を使う=「使命」。

たった一つしかない自分の命を使って、

それでもなお、やりとげたいことは何か?

いえ、やりとげなければならないこと――。

それこそが「使命」なのです。

メーリングリストで、彼女はこうも書いています。

「私は自分の命を使って

この人生で何が出来るかと考えています」

びっくりしました。

戦時中ならともかく、

うんざりするほど平和ボケな世の中で、

こんなふうに考える女性がいるとは!!!

「使命」って、簡単に言うけど、

本当はすっごく難しい。

「命を使う」のですから。

自分の命を「賭ける」のですから。

これで私はよーくわかりました。

ヒーローの本質に迫るとは、

すなわち「使命」とは何か、

ヒーローの信じる「正義」とは何か、

それにつらなる「無私」とは何か、

それらを考えることにも

つながっていくのです!!!

今回の道場、じつはものすごーく

深いテーマなのではないかと思います。

(今さらかよ!と言われそうですが)

 絵文字:晴れ     絵文字:晴れ     絵文字:晴れ


さて、週末から私はマーシャル諸島に

慰霊巡拝の旅に出ます。

いくつもの環礁から成るこの諸島には、

日本軍が玉砕した島があります。

彼らもまた、自分が信じるもののために

命を使った人々です。

無名の「ヒーロー」たちです。

彼らの命がそこに確かに在ったことを、

彼らが戦ったその場所で、感じてきたいと思います。

感謝の気持ちとともに。

そしてマーシャル諸島といえば、

アメリカの水爆実験で有名です。

第五福竜丸が被爆したビキニ環礁での水爆実験。

ビキニ環礁はマーシャル諸島にあるんですよ。

今も被爆の後遺症に悩まされる人々が少なくないそうです。

そしてビキニ環礁に住んでいた人々は

先祖代々続いていた土地を奪われ、

もともと無人だった島に移住させられました。

決して肥沃とは言えないその土地で、

一から自分たちの生活を組み立てていかなければ

なりませんでした。

彼らが味わった苦しみと恐怖は、

今の私たちにとって、決して他人事ではありません。

今回、ビキニ環礁には入りませんが、

手を合わせてきたいと思います。

自分が何を見て、

何を感じるだろうか。

未知の島へ出掛けるときは、

いつも思います。

道場の開催までには

戻ります絵文字:キラキラ


笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

次回の開催予定

INFORMATIONお知らせ